まず破壊を、と考えた日召 一人一殺 52

2006年09月14日

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 人間は、一見ばらばらで、それぞれ対立しているように見えるが、実は、宇宙を構成する一部分で、本質的に宇宙と合体していてひとつなんだ。

 だから、自分のことだけに執着するような利己的な生活はいいかげんでやめて、自分が大衆の一人であることを自覚し、大衆と苦楽をともにする大きな生活、
 すなわち菩薩道 (悟りに到る道、菩薩の修行の道) に立った感謝の生活を、早く送るようにしたほうがいい。

 これが「血盟団」頭領、井上日召(1886―1967)の宇宙人生観だった。
 次に国家観。

 わが日本の国体(国家体制)は、宇宙の真理そのもので、天地とともに窮まりない。

 なぜなら、国祖神である天照大神(あまてらすおおみかみ)が子孫に与えた三種の神器は、大神(おおみかみ)の精神である人類最高の智・徳・武、すなわち宇宙の真理をあらわしている。
 歴代天皇は、この三種の神器を天照大神のお告げである神勅とともに受け継ぎ、大神の精神を継いで、唯一絶対の君主として国家の中心にあり国民と一体であるうえに、国民の大親である現人神(あらひとがみ)として存在しているからだ。

 国民は、天皇の子どもで宝だ。
 天皇の精神を自分の本質とし、君民一体一国一家の理想の国家体制を作っている。日本の国家体制は、天皇と国民の間に何者が存在するのも許さず、国民は天皇の下に一人としてその所を得ざる者はない。
 国民は、その地位を守り未完成を恐れずに理想国家の実現を願うべきだ。
やがて理想社会を実現し、それを全世界に行き渡らせ、世界人類の平和を実現するのが日本精神だ。

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 次は、当時(1931、2年ごろ)の日本社会に対する日召の見方。

 支配階級である政党、財閥、特権階級は腐敗堕落し、国家観念に乏しく、結託して私利私欲に走り、天皇と国民の間を引き裂き、目前の権勢の維持に努め、
 ことごとく国策を誤り、このために内治外交に失敗し、なかんずく、農村の疲弊、都市中小商工業者や労働者の困窮を見捨てて顧みることなく、疑獄事件を相次いで起こしている。

 国民への教育は、根本を個人主義に置き、国体の絶対性を教えることなく、知育偏重に流れ、徳育を忘れている。
この結果、国民の思想を悪化させるなど、政治・経済・思想・教育・外交などさまざまな方面で極端な行き詰まりを招き、このまま放置すれば日本は滅亡するしかない。

 この深刻な行き詰まりの原因は、
明治維新以来の支配階級が、建国の本義を忘れ、西洋文明に酔って模倣しよ うとして、
 西欧の個人主義を基本にする資本主義のような、宇宙の真理に反する差別相対の原理を、国民生活や国家組織制度の指導原理にしたからだ。

 資本主義の矛盾や欠陥は我が国の本質を覆って、道義は衰え、混乱紛糾は大きくなり、ついに、
 昭和維新を願う国民の声が大きくなった。

 ところが、学者や宗教家には気概がなく、この現状を目にしながら支配階級にゴマをすって、自分の利害や打算に一生懸命であるか、または、なにもしようともしないで傍観している。
 このため、このごろ資本主義を修正するものとして登場してきた社会民主主義、国家社会主義、あるいは共産主義が、支配階級と対立抗争をもっぱら行い、かえって混乱を助長している。行き詰まりを打開出来ない。

 この行き詰まりを解決し国運を伸ばすためには、宇宙の真理そのままの日本精神を指導原理にして、支配階級を日本精神に目覚めさせ、我が国の組織制度を改革し、発展力を強化する必要がある。

 旧制度を破壊することなくして建設はあり得ない。

 革命をやろうとする者は、
自己を深く内省して、まず日本精神に目覚め、
 国民の幸福を幸福と感じ、苦悩を自分の苦悩と感じる大慈悲心をもっていなければいけない。
 また、天皇の赤子として、天皇が治める国が唯一絶対であると自覚し、

 間違っても、

 革命を、生きるための手段、または事業であるかのように思ったり、革命によって権勢や地位、名誉を期待したりしてはいけない。

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 以上が、1934年(昭和9)11月22日、東京地裁であった判決公判で読み上げられた判決理由書に書かれていた井上日召の思想の核心だ。

 判決理由書は、計91回の公判での証拠調べなど審理の末に3人の裁判官が理解し突き止めた「血盟団事件」の厳格な核心であり、渾身の力作だったと考えていいだろう。

posted by Jiraux at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | news 日々憤怒
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